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企画公演/講座

近年盛んに行われている、野外での能

「薪能」の文字を見たことがある方は多いのではないでしょうか。
本来、能は野外に存在する「能楽殿」で行われていたものでした。近年に入り、天気に左右されず、より能そのものに集中できる環境づくりが整えられ、屋根が掛かった能楽殿がそのまま収容された能楽堂ができていった訳です。

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しかし、21世紀、私は再び野外での能に非常に注目しています。室内の能楽堂は、確かに能に集中する環境は整ったのですが、初めて能に触れられる方には若干エッセンスが濃縮しすぎたように私は思います。
能楽堂独特の静寂した空気感は、もちろんそれが良さなのですが、ときに咳をすることすらはばかられる緊張感を与え、ビギナーにはそれがストレスと感じることもあるようです。
対して野外での能では、時に風が吹き、川がせせらぎ、鳥が囀ります。謡や囃子を細かく聞くには障害となるかもしれませんが、発想を転換すると、それによって感性、感覚が自然現象に近いところに引き寄せられ、能楽堂では感じ得ない新たな感覚を生むことがあるように思います。
言い換えると、能楽堂で必死に睡魔と戦いながら舞台に目を凝らし、逃げ場がない、というとき、野外では夕空を眺めることで息を抜くことができる訳です。

現代の特に都市部で働く、学ぶ、皆様には自然の中での伝統文化との出会いを強くお勧めします。


「竹田薪能」

大分県竹田市という町で続く伝統ある薪能です。
この催しの素晴らしさは、そもそも、この町の素晴らしさに根源があります。
熊本空港からバスで90分。大分空港から自家用車で120分。福岡空港からバスで150分というアクセスは決して良いとはいえない場所ですが、だからこそ、の自然と歴史が静かに確実に残っています。
第二次大戦の戦災から免れた町並み、阿蘇山から湧出する清水、町行く人が必ず挨拶を交わす人情の町、そこには青く丸い空が広がります。

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ここに400年前、風流な殿様がおりました。
その殿の仰せには「雨の日も月が見たい。」
忠誠する家臣たちは城の城壁に「三日月岩」なる岩を彫りました。中に灯明を入れ、自然の濠になっている一級河川「稲葉川」の対岸から眺めると見事に月が現れます。
しかし、城壁では、本丸から見られないのでは?
川の対岸にはお姫様を住まわせる御殿があったというのです。
なんと風流で、粋な殿様でしょうか。

現在、竹田薪能は、お姫様の御殿跡が客席となる、稲葉川の水上に特設舞台を設営し、開催しております。
ぜひご覧いただきたい、世界屈指の催しであると自負しています。


過去に開催した野外能

能は、専用の能楽堂で行われるものでありながら、実は舞台装置としては非常にシンプルなものであるため、三間四方のスペースさえあれば、どこでもできてしまう、という特徴を持っています。


埼玉WABISABI大祭典2018 はじめに「若者能」学生実行委員による解説コーナーの後、能「船弁慶」を上演いたしました。
舞台進行に合わせてお客様のスマートフォンに日本語、英語、中国語による同時解説を配信するシステムを使っての上演でした。
橋掛かりの一の松、二の松、三の松にはさいたま市の特産品である松の盆栽が用いられました。
薪により浮かび上がる後シテ「平知盛」の姿は幻想的であり、能楽堂内で観るものとはまた違ったダイナミックさも見どころです。
札幌芝能 北海道知事公館芝庭園で行われました。芝をそのまま舞台の代わりに使う素朴な催し。第2回には、塩津圭介も「鞍馬天狗」の子方として出演しました。お客様の反響として、「舞台と同じ高さに自分がいられることで、とっても親近感が持てた。」という声をいただききました。
羽幌薪能 北海道の中でも北に位置する北海道苫前群羽幌町でおこなわれました。海岸に特設舞台を設け、美しい夕日と波音の中、海にゆかりの深い演目「船弁慶」を上演しました。
石山薪能 北海道南区石山公園で行われました。かつての石材採掘場を閉山し、公園とした場所。特設舞台を設け、上演しました。
ヤング株式会社
ピラミッド能
北海道千歳市 ヤング株式会社ピラミッド社屋にて行われました。健康飲料ヤングの製品にちなんで不老不死を題材にした「枕慈童」を上演しました。舞台は大理石ロビーそのままを活用しました。
エノキアン協会 白金 八芳園にて行われた、ヨーロッパの家業経営歴二百年以上の会社が加盟する組織の交流イベントオープニングレセプションで国土安穏、天下泰平、未来永劫を祈願して「高砂」を上演しました。

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